川崎市は、中3生の引退時期が秋なども含め、とても部活動がさかんな地域です。
勉強との両立は、多くの子どもたちの悩みです。
2012年度から学習指導要領の項目が増え、学校の授業時間数も増加(かつては土曜日で補っていたのですが)。家に帰っても学習する「気力」がない…という子どもたちが増えていることに危惧しています。
いわゆる「文武両道」ができる子とできない子は何が違うのか。この前のセミナーで「時間の使い方が上手な子とそうでない子の違い」だという話を伺いました。
「塾」は、通うまでがつらいと思いますが、学習する環境ができていますので、時間の使い方を学ぶ絶好のアイテムだと思います。
昨日、このような悩みをもつ生徒と面談をし、「週間スケジュール」を作成してもらいました。
「塾に来るだけで成績が上がる?!」、初めのうちは効果がありますが、次第にこれは幻想だと気づきます。塾でも、新学習指導要領をしっかり理解して頂くには、週に2回程度の通塾では演習量が足りません。どこかで補って頂かなければなりません。
その時間を、塾に来ていない時の過ごし方を中心に、スケジュールを作成してもらいました。
目標はこの通りの実践であり、できれば「何をやるか」という詳しいところまで綿密に記入して頂きます。
実際に作ってもらったところ、彼女にはほとんどその「時間」がありませんでした。朝練もあり、就寝時間も削れません。部活動は全国レベルであり、役職もあります。土日は遠くまで遠征します。
そこで、一緒に「グレーゾーン」を「黒」にする作業をしました。
私も、かつては「部活」命の少年でした。部活動の後は、重い防具を担いで道場に通い、夜遅くまで他中の強い子たちと稽古に励みました。自宅でも、筋トレやなわとび、ランニングなど黙々と自主練をしました。
この時、私は「強くなりたい」「もっと上手くなりたい」という「黒」です。
(高校進学後、川崎市の生徒だけ秋まで部活動をしていることを知りました)
一方、塾の授業は全身を耳にして真剣に聞きました。毎日コツコツやっていたかというと疑問ですが(笑)、試験前には道場に通う日を減らし、勉強に充てました。
もちろん、剣道で飯を食っていけるとも思っていなかったので、部活と同じくらいの情熱で取り組みました。これも「黒」です。
一方、休養も必要です。身体も心も休ませてあげないとメリハリがつきません。いわゆるオフの時間、これを「白」とします。勉強しているうちにウトウトしてしまっては勿体ないです。時間を決めて休む時は休みましょう。
一日の生活の中で、「黒か白か」を明確にし、そのどちらでもない、もしくはどちらも混ざってしまっている「グレー」の時間を少なくすることで、部活でも勉強でも最高の結果を出せると自分の体験も混ぜて話しました。
この日は、本来補習を行う予定でしたが、こういう時間に多くを費やし(これこそグレーゾーンですね…)、その後、目標(例えば志望校や内申)を設定して、学習に取り組んでもらいました。
後は、強いて言うなら、携帯(スマホ)を気にしている時。何をやってもグレーです(笑)。
そういう便利な時代に生まれ育たなかった私は幸運でした。LINEなど、かなりの子たちが翻弄されています。自己管理をするには、ある子にはまだ早すぎると思います。
「勉強するときは電源を切る」くらいの覚悟があれば、「真っ黒」です(笑)。人間関係がぎくしゃくしないよう、前もって「ちょっと勉強に集中するから、返事できないけど」あるいは「親に言われたから」などの理由でも伝えておけば、相手も遠慮し、返信を気にしなくなると思います。
現代の子どもたちを支配するグレーゾーン、強敵ですが、肝心なのは心の強さです。
こういう相談があれば、いくらでもお話したいと思っています。私からも、積極的にコミュニケーションをとってまいる所存です。いやがられるかもしれませんが(-。−;)。