この言葉は、私が尊敬する山口の講師Mr. Hondaの言葉です。





よく生徒から、「先生は、子どもの頃頭が良かったのか?」と尋ねられますが、否です。





嘘だと思われるかも知れませんが、本当です。





算数や数学の才能は、ほとんどありません(笑)。強いて言えば、「努力する才能」だけは少しあったかも知れません。





現在主に指導している英語も、実は大嫌いでした。中学に入った頃、小学生から英語を学んでいる生徒たちには全く敵わずというか、





毎回単語テストをするのですが、いつもクラスで最低点でした





私はふて腐れ、もしそのままの状態で中学時代を過ごしたら、どうなっていたことでしょう…。





ある日、先生にかなりきつい口調で、叱られたのです(当時は昭和時代です)。





私は、正直頭に来ました(笑)。クラス全員の前で罵倒されたので(繰り返しますが昭和時代)、見返してやろうと思ったのです。





その日から、教科書に載っている単語という単語はすべて練習しまくりました。





特に暗記力が優れていた訳でもありません。紙という紙に、一つの単語につき50〜100回は練習しました。これでもかというくらいに。





中学生は塾でも、学力の把握のため定期的にテストを行います。その日を目標に、影でこっそり勉強していたのです。





結果。私は英語のテストで満点。学年1位になりました。先生や同級生たちは、開いた口がふさがらないといった感じだったのをよく覚えています。






実に痛快でした(笑)。






「英語は努力次第で、こんなに力がつくんだ!」と初めて知ったのです。「努力が報われる」これはとても大切です。





単語が書けるだけでは、満点はとれませんが、かなりの高得点は望めます。文法事項に関しては、普段の授業を真摯に受けるだけで充分なのです。ここは、塾ですから。





それがきっかけとなり、大学でも英文学科に入りました。あのときの挫折と乗り越えた経験(たいしたことではありませんが)が、現在の指導に役に立っているのかも知れません。





普段、家庭で単語練習に集中できない子の気持ちも分かります。英語が嫌いになってしまった子の気持ちも理解できるかもしれません。


(現在、英語と日本語の違いを早期に理解してもらうために、小学国語のオリジナル教材の作成に力を注いでいます)





しかし、私の中学時代と現在の状況は大きく異なります。日本人の人口はどんどん減り、外国語の習得はこれからの社会を生きる上で、将来仕事をしていくために、多くの子ども達に不可欠です。






私ができるのは、激励です。勉強を教えるのは、講師と呼ばれる人なら誰にでもできます。





勉強は苦しいです。子ども達は「なぜ勉強しなければならないのか」という命題といつも向き合っています。





人それぞれ状況が異なるので、伝える言葉もさまざまです。手紙を書いたり、直に話したり…。





勉強は嫌いでいいと思います。好きなことばかりやって、生きている人って少ないですよね。理想ではありますが。





私も、苦手な事務作業や、経理関係など、仕事だからやらなければならないことをたくさんやっています。





でも、無駄なことは一つとしてないんです。






その時は分からなくても、そういう意識で取り組んでいくと、人間的に成長できると信じて、働いています。いや、生きています。





大げさではなく言いますが、私が教えている生徒の中に、当時の私より才能がない子は一人もいません。





私は、才能がない代わりに、強い思いで、努力を重ねました。部活動も積極的に取り組んでいました。川崎市では3位に入った程度ですが。





もし、それを「才能」とよぶなら、すべての子ども達に才能の扉は開かれています。






子どもの多くは親の言うことを素直に聞きませんから(笑)、私たちの使命は、とても重いです。





英数学院に来て頂いている以上、私は子どもたちを励まし続けます。すぐに忘れる子もいますが(笑)、何度でも激励します。





残りの壁は、子ども達の心に響くかどうかです。そして、実行に移せる「勇気」があるかどうかです。







講師=勉強を教える人。そうお考えの方々。もしそれが「自分の仕事」と自己の過去や知識にあぐらをかいている「講師」が跋扈しているとしたら、厳しい言い方ですが、私どもとは違う職種の人たちです。






 「強い思いは才能を超える」
 






もしかしたら、元々私には、子ども達を励ます才能さえなかったかもしれません。でも、強い思いだけで、今日までやってこれました。





技術やハートはもちろんですが、「どうやって励ませば、この子はやる気になってくれるか」…。まだまだ学ぶべきことはたくさんあります。